2013.11.02 第21回日本腰痛学会

第21回日本腰痛学会
-臥位姿勢における全脊椎骨盤矢状面アライメント計測の試み-

2013年11月2日(土)
第21回日本腰痛学会
場所:JPタワー ホール&カンファレンス(東京都)

臥位姿勢における全脊椎骨盤矢状面アライメント計測の試み
山田朱織(16号整形外科 ),勝呂徹(東京医科大学整形外科),星徹(東京工科大学),小日向肇(山田朱織枕研究所),遠藤裕一郎(山田朱織枕研究所)

至適睡眠姿勢とは何か?一般的に立位と臥位が同一姿勢という意見もあるが医学的根拠はない。脊椎骨盤アライメント(以下SPA)において、立位と座位の報告は散見されるが臥位は少ない。臥位の冠状面アライメントは冠状面バランス0mm、胸腰椎側弯角0度が基本だが、矢状面アライメントの基準に一定の見解はない。立位と臥位のSPAを評価すべく、立位で一般的に使用されているパラメータを用いて計測し臥位と比較したので報告する。

【対象】年齢4~89歳、平均41歳。0歳代2名,10歳代2名,20歳代5名,30歳代4名,40歳代14名,50歳代2名,60歳代7名,70歳代4名,80歳代2名,計42名を対象とした。

【方法】X-Pで立位と臥位の全脊椎骨盤側面像を撮影する。枕の高さと寝台の硬さ条件はSSS-T法を用い寝返りのし易い条件とする。パラメータは1)矢状面のバランスmm,2)頸椎傾斜角,3)胸椎後弯角,4)腰椎前弯角,5)胸椎/腰椎角度比,6)仙骨上縁傾斜角,7)骨盤回旋角を計測し有意差検定を行った。なお年齢別の姿勢特徴を観察した。

【結果】立位と臥位の平均±2SDと有意差有無を示す。1)-36.04±85.09,14.94 ±33.47,有2)8.02±15.48,19.26±10.6,有3)40.32±27.02,33.92±17.36,無4)46.21±9.61,36.93±16.61,有5)0.91±0.77,0.98±0.85,無6)28.82±13.25,29.07±11.95,無7)13.30±19.48,10.12±14.20,有。年代別では1)立位0~60歳代はマイナスで70~80歳代はプラスだったが、臥位は全例プラスとなった3)加齢とともに立位で増加し臥位で減少する傾向有。70~80代の円背は変化量増大の傾向有5)60~80代で立位と臥位の差が増大傾向有。

【考察】立位から臥位に姿勢が変化すると1)は0に近づき4)7)が減少した。これは臥床面上で脊椎骨盤が重力を前後方向に受けて臥位SPAが直線化することが示唆された。また年齢別特徴がみられた3)5)は臥位姿勢を考える際に年齢要素を考慮する必要性が考えられた。今後は年齢別症例数を増加し臥位SPAの計測方法確立し基準値を求めたい。